STORYストーリー
2007年・秋。東京を離れ、沖縄で暮らす病気の叔母のもとへ住まいを移した愛美。ベトナム人の青年・コアは展望デッキで見知らぬ家族を見つめる彼女を見つけ、ふと足を止める。
就職した旅行代理店での仕事が始まり、愛美は先輩の恵子と共にIT企業アザナに向かう。そこには社長の平良、研修生で台湾人のヤン、そしてコアが居た。恵子の誘いで愛美はアザナの3人と居酒屋で再会する。「ベトナムの町や人をもっと豊かにしたい」と語るコアに夢を聞かれた愛美は「子供の頃の思い出のクジラのブリーチをもう一度見たい」と話す。帰りにコアたちに送ってもらった愛美は、コアから「ベトナムの誕生日は、自分が生まれたことを自分が一番感謝し、その感謝を大切な人に伝える儀式」と聞く。顔が曇る愛美。実は愛美の誕生日は、母を失った阪神淡路大震災の日なのだ。
後日、「アザナ」から旅行ツアーを申し込まれる。行き先は愛美の話を聞いてコアが希望した座間味島のホエールウォッチングに決まる。宿泊先は愛美が12年前母と泊まった民宿だった。
母と行った思い出の海へコアと一緒に向かった愛美は「素敵な未来が待ってるよ」という母の言葉を思い出す。コアは「過去は変えられないけど、未来は自分の手で変える事ができる」と話す。その夜2人で星空を見ながら、愛美の母のこと、震災で思い出の品も全て失ってしまったことを知る。
次第に愛美は純朴でストレートなコアの優しさに惹かれて行く。
翌年、ベトナムに最終面接で一時帰国するコアに「僕のふるさとを見て欲しい」誘われる愛美。迷った末、一緒にベトナムへ行く事を決意し、反対する叔母に「自分を変えたい」と告げる。
ベトナムでコアに案内され、ダナン、ホイアンを訪れる愛美。そして彼の友人たちに誕生日パーティーを開かれた愛美は、少しずつ人生の希望を見出していく。
しかし沖縄に戻ってすぐ、コアは、通りがかった女性を追いかけ走り去り、彼女を抱きしめる。
その姿を見てショックを受けた愛美は、再び母との思い出の座間味島へ向かうのだった
この度は『Umbrella』を、映画『クジラの島の忘れ物』の主題歌に選んで頂きとても嬉しく思います。 この楽曲は、「もしも願いが一つだけ叶うなら 君とずっと一緒にいたい」というまっすぐな愛を伝えたく、書いた曲でした。 そんな「Umbrella」が劇中やエンディングで流れ、より一層、愛美とコアの2人の愛を彩っていくのを見た時、書き下ろしのようにはまっていて、感動しました。 人生においての葛藤や悩み、そして愛の詰まったこの作品、 1人でも多くの方に劇場で観ていただけたら幸いです。 この度は貴重な機会をいただきありがとうございました。
ReN(主題歌「Umbrella」)